褶曲した大きな岩に、一つの種が舞い降り。実生から長い年月をかけて、栄養のない岩の端から谷から望む狭い高い空に向かって幹や枝を伸ばし続ける。
根は岩に潜り込めず、辛うじてできた小さな割れ目を手がかり(根がかり?)に、いつかは肥沃な大地に根が張れることを夢見ながらできる限り根を張ってきた。その姿に悲しくもうれしくも、又恥ずかしく力付けられもする。思わずその根の一つに手を触れながら声をかけてしまった。
「はっ!」として我に返り周囲を見回して、絶え間ない沢の流れの音だけの中にいる自分に安心したものである。
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